みんなで作ろう21世紀の大企業!

第1部アントレプレナー大集合

 

第1回 ネットワーク型ビジネスの時代

今、仕事の仕方が大きく変わろうとしている。しかし、どのように変わるのか? どのように変わったらよいのか? 変革する経済社会にあって、企業と個人はどのような関係になっていくのか? 皆がなんとなく変わるのだろうと思っていても、明確な解答を示せないのが現実ではないか。金融ビッグバンに端を発した日本経済のパラダイム転換は今始まったばかりである。

 21世紀はどのような社会になるのだろうか、封建社会の時代に現在のビジネスを想像できなかったようにわれわれにも予想がつかなくても当然であろう。しかし、一つだけ確実に言えることは「将来大きくなる事の芽は必ず現在の社会の中にある」と言う事だ。アメリカの大学の研究機関で細々と始まったインターネットも、当時は今日の姿は誰も予測できなかったであろう。しかし、地面から出たばかりの「その芽」に気づき大きく育てようとしたアントレプレナーがいたからここまで大きくなってきたのである。

日本の社会は「相撲」型

社会の仕組み、特に経済・企業の仕組みをスポーツにたとえてみよう。

まずは日本は何のスポーツがふさわしいのか、当然日本の国技「相撲」であろう。

 相撲協会なる業界組織がしっかり形成された閉鎖社会である。相撲をやろうと思えばまず相撲協会へ入らなければ参加することが許されない。過去のしきたりや前例が優先する。同部屋と言うことで戦うこともしない。実力がすべてである勝負の世界にしてはちょっとめずらしい仕組みである。

後からの新規参入は許さない、規制でがんじがらめである。企業にとっても労働者にとっても極めてぬるま湯にいるような環境である。

アメリカはどうであろうか? やはり国民的な人気スポーツ「野球」であろう。

 特徴は、攻撃の時間と守備の時間がはっきり分離されていること。試合中のタイムも若干の規制はあるものの自由であり、合計するとかなり長い時間となる。ルールも細かく決められているため審判の裁量も少なく、ルール解釈上のトラブルも極めて少ない。トラブルはコミッショナーが裁判所の役目を果たす。リーグ及び球団運営においては、大きな枠(球団数、ドラフト、トレード、等)が前提ではあるが、経営者の交代や選手の新規参入も比較的自由に行われている。実力のある選手が高い報酬を得る実力の世界だが同じ球団の中に試合に出ない選手も多数抱えており、多額の教育費用も支出している。野球のルールはアメリカのスタンダードが世界のスタンダードだ。

すべての仕事は契約の締結を前提とし、企業対企業、企業体労働者がその権利義務をはっきりさせて物事を進めていく、トラブルが発生したら裁判所で解決する。分業型で権利主張型の経済だ。

ヨーロッパはどんなスポーツだろうか? サッカーがふさわしいだろう。

 試合中にプレイが止まることはほとんど無い。選手の分担は一応決まってはいるが攻撃もすれば守備もする。ルールも簡単である。基本的には手を使わずに相手のゴールにボールを入れた回数の多いほうが勝ちである。

構成する選手一人一人が自分で判断しゲームを作っていく。野球のように監督の指示を待ってはいない。選手全員がリーダーでありプレイヤーであるのだ。選手個人の技量が問われるゲームである。チームの運営も技能の高いプレーヤーを世界中から集め、不要ならすぐに契約解除。移籍も世界をまたにかけ自由に行われている。

最後に中国について見てみよう。これはなんと言っても「カンフー」がふさわしい。

 ルールは無い。相手が戦えなくなるまで徹底的に攻撃する「何でもあり」がルールのまさに弱肉強食のゲームである。自分が生き残ることが最優先される。

サッカー型のビジネススタイルがやってくる

 民主主義の発達に伴い国と国の垣根が低くなってきた。今や世界経済はクモの巣のごとく絡みあい一つの事件がとんでもないところに影響してくる。特に最近のIT(情報技術)の急速な発達により、金融商品をはじめとして複雑な取引が開発されるため、企業対企業、企業対個人、個人対個人の取引がグレーになってきている。関係が複雑なため、誰と誰が取引しているのかがわからなくなってきている。即ち、日本の従来型のビジネススタイルである「情報を得てから上司に決裁を仰いでいた」のでは取引のスピードについて行けない事態になることだ。すぐに決断をしないと相手は待ってくれない。つまり、競技場からの退場を意味する。これに対応できる「21世紀に向かってのビジネススタイル」は、サッカー型になるだろう。個人個人が自分のミッションを確実に実行していくハイレベルのネットワーキングである。

ネットワーク型の仕事の仕方には重要な前提条件がある。それは全員のレベルがそろっていることだ。レベルの低い人が入るとボトルネックが発生するため、ネットワーク全体のレベルダウンを招いてしまう。プロのサッカーチームにアマチュアのプレイヤーが1人でも入ったら勝てないのでもわかる。当然そんな人は排除されるか、初めからネットワークに入ることすら許されない。

ネットワーク活用がビジネス成功の決め手

サッカー型のビジネススタイルの最小ユニットは当然ながら「個人」となる。「個人」とは専門的な知識と知恵を兼ね備えた実行力のあるスペシャリストであるとともに経営者でもなければならない。即ち、すべての機能を持った「企業(個人カンパニー)」でなければならないのだ。

今後は、ネットワークが活用できるか否かがビジネス成功の鍵となるだろう。ネットワークに入る資格を「個人カンパニー」が持つだけでなく有益な存在となった時に、リターンも期待できるのである。今、「アントレプレナー」のみが参加できる権利を持つ新たな仕事社会が出来つつある。