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第1部アントレプレナー大集合

 

第4回 起業のプロセス

 アントレプレナー(起業家)とは、マーケットにおける事業機会をとらえ、そのチャンスを実現することができる組織である個人カンパニーのネットワークを構築する人である。

起業のプロセスとは、事業機会の発見からそのチャンスを実現するための組織である個人カンパニーのネットワーク構築に関するありとあらゆる機能と活動のすべてである。

成功する起業とは?

 社会に既に存在する事業分野への新規参入や社会に存在しない新規分野への起業に関係無く、起業したが失敗するケースは当然多い。民間の信用調査機関である帝国データバンクの調査によると、98年1年間だけを見てもベンチャー企業の倒産は全国で82件発生している。この件数は、過去最悪であった97年の58件を大きく上回り記録を更新することとなった。

相次ぐ優良ベンチャーの倒産

 昨年11月に倒産したアニマ電子は、カラス撃退装置で一躍脚光を浴びた企業で、後にセンサー付き監視カメラや画像センサーを利用した防犯装置等を開発、特許を20件近く保有する企業に成長した。96年には「中小企業創造活動促進法」「新規事業法」に基づく認定企業となり株式公開も予定されるなど技術力も高く将来が期待されていた。

 本年1月に倒産したシナジー幾何学は、エンターテイメントソフト「ガジェット」の成功で大きく躍進、93年にはマルチメディアソフト振興協会の「マルチメディアグランプリ・通産大臣賞」を受賞するなど、作品としての芸術性も高い評価を得ていた。多額の研究開発費を借入に頼るなど企業規模に比べ、有利子負債の負担が大きく経営を圧迫することとなった。代表者はベンチャー起業家として有名なK氏。マスコミにも数多く登場するなどコンピュータソフトウエア業界だけでなくベンチャー関連団体の重要人物でもあった。

大手企業にも多い起業の失敗

 大手企業の子会社投資をみると、既存組織の分社化や既存事業の活動領域周辺への進出は、成功しているケースが多い。反面、その会社の活動領域と関係の薄い分野への進出である「飛び地的な事業」や合弁やM&Aによる事業では失敗する例が多い。これは、過去の事業活動から得られた商品知識があるから進出したが、その分野の事業ノウハウがないためオペレーションに失敗したケースや特許があるからといってその技術の市場価値を過大に評価してしまったため商品化に失敗してしまったり、合弁先の能力評価を適正に行わなかったり、相手企業の商品力やノウハウだけをたよりに買収したのはいいが自社内に経営がわかる人材がいないため失敗したケース等である。

 失敗例に共通して言えることは、日々刻々変化する環境に対し、企業の戦略性を放棄し「適応」してしまった結果であろう。適応することは一見難しそうであるが意思決定時の気持ちとしては比較的楽な選択である。環境変化への適応は問題の先送りだけであり解決とはならない。環境変化に的確に「対応」することが問題を解決するのだ。

起業のプロセス

 一般的な起業のプロセスは、次の4つのステップから構成されていると言えるだろう。

第1段階は「事業の創出」だ。個人が今までに経験した仕事や遊び、過去に受けた教育から得られた人生観や物事への価値観、ライフスタイルに裏づけされた創造力と起業リスクへの挑戦姿勢によって、各種の事業アイデアを創出し、スクリーニングしたのち個人に蓄積されていく。

第2段階は「起業の決断」だ。これは個人の中に蓄積された各種のアイデアに対し起業を決断させる要因が発生したときに起こる。現在の仕事への不満や失業、独立を強く意識するなど意思へ強く作用する要因としての年齢、事業アイデアへの沸き起こる熱意、個人カンパニー間ネットワークの活力が最大化したり、国の起業家支援施策の実施等が起業家精神を刺激し起業を決断させる。

第3段階は「事業の開始」だ。いよいよ起業家の誕生である。初期のアイデア(イメージ)レベルであった事業プランを実業としての事業プランとして成立させるために、具体的な事業計画(会社の概要、経営方針、事業内容、必要設備、投資計画、利益計画、人員計画、等)を作り、資本家を探求したり、個人としての資金力の評価や家族の状況、周辺関係者の理解の取得や個人生活の将来展望が描けるかが事業開始の決め手となる。

第4段階は「事業の成長」だ。当初の事業経営が計画通り順調に進展したとき、その事業は成長が期待される。しかし、企業が大きく成長するときは必ず各種のバランスが崩れる事態が起きるため、トラブルも発生しやすくなる。売上増加を支える資金調達力、組織を支える人材調達力、等、起業家の本質的な技量が問われる段階でもある。

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