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第1部アントレプレナー大集合

 

第5回 事業プランを作る

 起業プロセスの4つのステップである「事業の創出」「起業の決断」「事業の開始」「事業の成長」を戦略的・時間的につなぐものとして「事業シナリオ」がある。事業シナリオとは映画やテレビドラマのシナリオや絵コンテと同じである。つまりイメージとしてスタートした事業の「ストーリー」を現実のものとするために映像・音・文字・数値や立体物等を利用して作成する。文字だけの簡単なものからマルチメディアを駆使したもの、実物大やミニチュアの立体模型など、事業内容や事業規模、製作予算等により様々な方法が取られる。

 事業シナリオは、スタートする事業の実行関係者を効果的、効率的に事業目標に向かって行動させる重要なソフトである。

事業の成長力関数

 事業の成長力は、事業のアイデアに起業家の能力をプラスしたものに環境変数とネットワーク活力を掛け合わせた結果を時間軸で積み上げたものであると考えられる。

環境変数への対応が成長力を変化させる

 成長力を左右する重要な変数である時間変数に一番大きく影響を与えるのが環境変数である。この環境変数の特徴は非常に流動的であるということだ。時として、環境変数の変化がスタートしたばかりの事業に対して事業シナリオを根本から書きなおしさせる力を発揮する。

 すなわち、環境変数に対し、いかに対応できるかで事業の成長力はプラスにもマイナスにも変化していくこととなるのだ。

クールな起業家がパワーを持つ

 起業家はえてして自分のアイデアや技術力を過大に評価する傾向がある。事業アイデアに惚れこんでしまい市場価値がすでに無くなっているのにいつまでも事業化を夢見て貴重な資金を注ぎ込んでしまったり、自分だけが高度な技術と思っていてもすでに陳腐化している技術にいつまでも頼ってしまうなど、失敗につながることが多い。

 事業の成長力を最大に持って行くためには、事業の成長力関数を構成する4つの変数を可能な限りコントロールし、時間的にも質的にも的確に対応することが重要となる。

特に気をつけなければいけないのが環境変数をいかに事業計画に反映させるかだ。

事業の成長力関数


f(x)=倍(I+EP)×E2×NP}

 f(x)=事業の成長力

  I =アイデア

  EP =起業家の能力

  E =環境変数

  NP =ネットワークの活力
 

事業プランを作る

 事業シナリオを作成することが出来れば次は事業プランの作成だ。すばらしい出来の「事業シナリオ」は「事業アイデア」をより現実的で実行可能な「事業プラン」へと転換させる。

「事業プラン」とは?

 事業プランの一般的な内容について、産業基盤整備基金が公開しているものを参考に紹介する。

1.事業コンセプト

 事業がどのような技術・ノウハウを基盤としているのか。製品・サービスや技術・ノウハウの新規性、実現性、競合性、市場性・成長性について。

@新規性
製品・サービスの内容について、どこに新規性、独自性があるのか。技術・ノウハウについて。

A実現性
商品技術の実現段階について、現状どの程度のレベルに達しているのか、実験段階、プロトタイプ開発段階、商品化完成段階等を示す。

B競合性
他社競合技術・ノウハウとの比較において、性能、コスト、製造プロセス等から、強み・弱みを客観的に分析し明確化する。

C市場性・成長性
製品・サービスのターゲットとする市場について、業界全般の状況、どのようなニーズや購入者層が想定されるのか、当該事業の技術・ノウハウを用いた新規事業、新製品開発の可能性について。

2.事業スケジュール

 事業コンセプトを実現するために「どのように売るのか?」、「それをどのように調達するのか?」、「モノをどのように作るのか?」、「どのような設備を設置するのか?」、「どんな人に入社してもらうのか?」、「どんな研究をしていくのか?」といった具体的な戦略と行動計画を記述する。

@販売活動
どのような基本方針に基づき、ターゲットとする市場でどのようにアプローチするのか、価格、プロモーション、流通等を具体的にどのように展開していくのか。

A購買活動
生産活動とともに、販売活動を支える購買活動の計画とその安定性について。

B生産活動
製品の生産に関わる技術、設備、生産形態、外注状況等の生産体制。製品毎に、生産数量・製品原価の計画を作成。生産に関する優位性、独自性等。

C設備投資計画
店舗設備等の土地、建物、工場の機械設備、研究開発に伴う実験設備、事務所賃借に際しての敷金・保証金
等。固定資産等への資金の調達方法。

D人員計画
業務内容別に求める業務能力・職歴等必要人員の年度別採用計画。求人方法及びその処遇。

E研究開発活動
現在までの実績と今後の計画から、研究開発に対する取り組み姿勢、会社発展に対する影響度合。

3.財務計画

 損益計画と資金計画を立案。事業計画を数値化することにより、「利益がどれくらいでるのか?」、「事業として成り立ち、会社が発展していくのか?」、「立案した計画で資金繰りが成り立つのか?」、「必要としている資金はいくらなのか?」等が明らかとなり、計画の妥当性を検証する。

4.中長期計画

 長期的な視点から展望するため、
@中期利益計画 A中期資金計画 B長期計画を別途作成する。