みんなで作ろう21世紀の大企業!

第1部アントレプレナー大集合

 

第6回 会社を設立する

 事業プランを実現させるために経営資源の具体的な調達と実行の組織を作る。営利目的の実行組織は自然人(個人)と法人に区分できる。

 法人は個人と違って法人自体は直接事業活動をすることは出来ないので、出資者が特定の個人を法人の代表者に選任し、その代表者を通じて事業活動を行うこととなる。法人は所有者と経営者が概念的に区別されており、個人のように一体ではない。個人には寿命がありその活動期間は有限であるが、法人は関係する法律の規程によって人為的に作ったのであるから、その活動期間は解散等の特別な場合を除いて無限である。

会社を設立する

 会社を作るとは法人を作ることだ。法人の中にも「社団法人」と「財団法人」がある。社団法人は更に公益を目的とする「公益社団法人」(社会福祉法人、宗教法人、民法法人、等)、「営利社団法人」(株式会社、有限会社、等)、公益も営利も目的としない「中間法人」(労働組合、協同組合、等)の三種類がある。

会社設立のメリット

 第一のメリットは、事業活動にとって一番重要な経営資源である資金調達を容易にし、大きな事業が出来ることだ。資金の調達方法には金融機関等からの「借入」と「会社への出資」の二種類があるが、出資であれば返済する必要はなく金利も支払わなくてよい。利益が出てから配当金を支払えばよく、株式会社の場合、業績が向上すれば配当金等を期待する出資希望者は増加することとなる。結果として事業拡大のための資金を大量に安定して調達できることとなる。

 第二のメリット、経営者は原則個人責任を問われないことである。会社が行った取引の効果は会社に帰属し経営者個人とは独立した存在であることだ。出資者は自分が出資した資金の範囲内での責任であり最悪でも出資金が帰ってこないというだけでそれ以上の責任は問われない。事業リスクを関係者が有限で負うことにより、経営者はより活発に事業活動を展開させることが出来る。

 第三のメリット、信用力を増加させる効果がある。個人であると事業主が病気や死亡した場合に取引契約への影響は大きいため、取引先は販売与信をしないケースがある。法人は法的永続性が担保されるため個人より一般的には有利である。

 第四のメリット、経営者個人の生活と企業活動をはっきり分離できることだ。事業活動の初期は事業規模も小さいため、得てして公私混同を招きやすい。公私の区別をはっきりさせることにより経営の透明性を図ることが重要だ。事業の業績は決算結果としてB/S、P/L等の財務諸表として取引先に開示され、利害関係者により分析評価され結果が以降の取引へ反映されていく。

 この他にも、人材募集にとってイメージ的に有利であったり、小企業においては累進課税の個人と比べて節税効果が期待できる場合がある。

株式会社を設立登記する

株式会社設立について一般的な例で説明する。

@商号:会社の名称のこと。類似商号の問題があるので候補をいくつか考えておく。類似商号とは、商号が同じか類似しておりかつ目的も同一の場合をいう。調査は、本店予定地を管轄する登記所へ行き商号調査簿の閲覧を申請し調べる。判断に迷うときは係員に相談するとよい。
A本店:会社の本店を置く場所のこと。
B目的:営業目的のこと。将来やりたい事業や営業許可が必要だが現在は資格者がいないものも登記可能。あまりにも包括的な表現は受理されない可能性があるので登記所と相談するとよい。
C資本金:額面株式
1株の金額及び資本金の額を決める。最低資本金は1000万円。
D役員:取締役を3名以上選任し、その中から代表取締役を1名以上選任する。別途監査役を1名以上選任する。会社の業務執行者としてふさわしい人物であるかが選任のポイントである。
E発起人:会社設立に参加する人で、最低1株以上の出資者であること。
Fその他:決算期や公告の方法、株式払込銀行等も決めておく。会社と個人を分離するために代表者の印鑑も新たに作っておく。G費用:公証人役場で定款認証に要する費用や登録免許税等30万円程度かかる。

事業スタートにあたって起業家意識をより強固にするためにも、登記の代行を依頼せず自分自身の手で登記手続をすることをお勧めする。

定款を作る

定款とは会社の組織や運営に関する根本原則のこと。会社登記のための重要書類でもある。

【内容】@絶対的記載事項:必ず記載しなければならない事項で、商号、本店所在地、目的、会社が発行する株式の総数、額面株式1枚の金額、設立に際し発行する株式の総数、会社が公告する方法、発起人の住所及び氏名。A相対的記載事項:定款に定めておかないと効力が生じない事項で、株式譲渡制限規程、現物出資等。B任意的記載事項:安易に変えることの無い事項。定款変更は株主総会で3分の2以上の賛成が必要となる。

株式を上場する

 最近の店頭株市場は、情報通信関連株がけん引役となって活況が続いている。4月にはインターネット検索サービスを手掛けるヤフー(設立:1996年、上場/公開:1997年)株が6000万円(額面5万円)と公開来の高値を付けている。

 東京証券取引所は成長力のある優良企業の上場を促進するため、株式上場審査基準を本年1月に大幅に緩和した。内容は、配当基準を撤廃し、配当実績のない企業でも上場可能にする。1株当たりの利益基準をなくし、利益額の基準も緩和する。上場前の監査対象期間を一年短縮する。地方企業の発行済株式総数基準を緩和する。審査の対象を原則として連結ベースとする。等である。

 株式会社は「社会の財産」である。企業が事業を通じて社会に貢献する活動を永続して行うためには、当然、個人の所有物でなく社会に開かれた存在でなくてはならない。株式を公開するということは、より広く社会から事業資金を集めるとともに、その事業活動の有用性を株主を通して社会に確認してもらうといった意義が存在する。