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第2部先輩企業を研究しよう

 

第11回 不動産検索ネット・潟lクスト

 バブルの崩壊により日本人が今までに経験したことのない不動産価格の下落を経験したことにより、日本経済システムの重要な要素である不動産の流動化が進展しだした。企業活動においては遊休不動産ばかりでなく利用中の所有不動産の売却による資産圧縮の推進やリストラを容易に進める手段にもなっている事業用借地権を利用した設備投資だ。不動産の含み益を経営から除外することにより事業経費を明確化し事業そのものの実力が短期で評価されることとなった。

個人生活においてはライフステージに合わせた不動産活用が広まりつつある。従来は不動産所有の通過点として捉えられていた賃貸不動産を積極的に活用(例えば、未婚時代、新婚時代、子育て時代、中高年時代、老年時代、要介護時代別に広さやサービス内容を変えた賃貸住居の選択)したり、「一生物」であった不動産を家族構成の変化に合わせて買い替える人の増加だ。

土地の価格が右肩上がりで上昇する時代にあっては常に商品の供給不足が発生していた。不動産業界にあっても取引物件をいかに自社内に囲い込むかが業績に直結していたといってよいだろう。しかし、不動産においても前述のように消費者ニーズが多様化した現在では、「いかに消費者のニーズに合った商品を大量に確保し、より早く需要と供給をマッチングさせるか」が業績を左右することとなった。

今回は、不動産物件情報の検索を可能としたインターネットサイト「HOME’S」の運営を中心とした事業展開をしている潟lクストを紹介する。

HOME’Sとは

潟lクストがインターネットを利用した物件情報検索サービスをスタートさせてから2年あまりが経過した。現在は、会員数390社、地域は札幌から沖縄までをカバーし、データベースへの収録物件数は15万件(内、公開物件は5万件)、Eメールによる反応率13%(Eメール数/公開物件数)、ホームページは月間約100万ページビューを記録している。

登録業者は、会費として月に15,000円を支払うとともに、契約締結時に6万円と3%の仲介手数料が必要となる。

登録業者へのサービスとして、自社物件の管理用ソフトと「間取り図」の作成ソフトを無料提供している。

検索システムの特徴

@希望する都道府県を5つまで選択できる。
A地域条件
・「エリア」「路線・駅」を5つまで選択できる。
B基本条件
・「家賃・価格」の下限と上限をの両方又はどちらかだけを指定することが出来る。
・「間取り」の範囲を指定することが出来る。
・「物件タイプ」を指定する。
Cこだわり条件
・「駅に近い」等更にこだわって検索するときに使用する。
D物件の表示内容
家賃又は価格、路線名、最寄駅又は最寄バス停、バス徒歩時間、保証金・敷引、礼金、敷金、管理費、間取り、専有面積・敷地面積、種別、駐車場、建築年数、取扱会社

企業プロフィール

本社:神奈川県横浜市、設立:1997年、資本金:1千万円、売上高:1億50万円、経常利益655万円(99年3月期)、代表取締役社長:井上高志氏、従業員数10名、事業内容:次世代不動産情報検索システム「HOME’S」 の運営、レンタルサーバー、ホームページ制作、システム開発、ネットワーク構築、情報誌発行支援、インターネット導入サポート、賃貸管理システム販売代理、事業収支ソフト販売代理、パソコン販売、主要取引先:日本賃貸住宅管理業協会、エスパー、ビジュアルリサーチ他。

事業履歴:975月「ホームズ・サーチ」不動産検索サービススタート、10月登録物件数が1万件を突破、11月賃貸住宅フェア'97にブース出展、989HOME'Sのホームページを正式オープン、998HOME'S Version2.5をリリース。

URL:http://www.homes.co.jp/

経営戦略

@経営理念
情報技術を通じて世の中の人々の住生活をより快適で豊かなものにすること。透明・公正なマーケットの創造を実現し、人と住まいのベストマッチングを図ること。

A事業目的
衣食住のうちもっとも高額財産である不動産は業界の未整備及び不合理な慣習から消費者が不合理な不利益を被ってきた時代が長く続いている。インターネット技術を利用して不動産業界及びそれに付随する業界の情報のオープン化、流通促進を通じ消費者に経済性と利便性を供給すること。

B会社の特徴・競合優位性
無休で24時間働く人財、自主独立の風土、既存に無いサービスの提供、リアルタイムネットワークシステム、低価格サービス、インターネット技術に精通しかつ業界知識にも業界の人的ネットワークを国内全域に持っている、既存の慣習・風土や既存事業にとらわれることなく新規事業展開が可能なポジショニング。

C株式公開
企業の社会的信頼を構築するため、及び新しい仲介マーケット創造などネクストの目指す事業展開のための資金調達手段として株式の公開を目指す。公開目標:20013月、基準期業績目標:売上高10億円、経常利益2億円、利益1億円。

期待して一言

業態開発の基本である「既存業種と既存テクノロジーの組み合わせ」つまり、不動産業界とインターネットを組み合わせた業態は見事に新規性と優位性を発揮している。「HOME’S」が発展するためにはまだまだ情報量が少ないが成約率が上がり不動産業界と消費者の両者に利益と利便性が安定して供給されるようになった時が飛躍的に成長するときであろう。リビングホームのポータルサイトに成長することを期待している。