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第2部先輩企業を研究しよう

 

第15回 中古車の競売ネット・潟買@ーテックスビジョン

新車登録台数の落ち込みが激しい中、中古車の登録台数は順調に伸びている。しかし、従来の中古車の流通ルートは、中古車ディーラーや新車ディーラー(新車販売時の下取車を販売)が主流であり、個人間取引はアメリカの約60%であるのに対し日本は全体の10%程度と極めて少ない。

その一方では、「ガリバー」等の買い取り専門店が登場し、中古車の新しい市場価格システムも模索され始めている。さらに昨年はインターネットを利用した自動車販売会社「オートバイテル」や「カーポイント」の新規参入が相次いだ。今年に入ってはトヨタ、ホンダといった大手自動車メーカーもインターネット販売に参入してくる。今後は、新車や中古車を問わずインターネットを利用した取引はさらに増加するであろう。

今回は、中古車の個人間取引をインターネットを利用して実現した潟買@ーテックスビジョン(以下V社とする)を紹介する。

事業コンセプト

V社の事業コンセプトは、「マーケットに参加される顧客及び事業に参加していただく企業パートナーに対して「フリー」「フェア」「ハッピー」で事業構築をする。」としている。

@フリーとは、オープンで自由な発想の元にコミュニティを形成すること。

Aフェアとは、オーガナイザーとしてフェアなマーケットを構築すること。

Bハッピーとは、参加する方々の安心感や信頼感を醸成すること。

ユーズドカーからリレーショナルカーへ

V社の目指すマーケットは、「ユーズド」というセカンド的なイメージではなく、リサイクル感覚の「リレーショナル」なマーケットイメージを想定している。中古車は、新車に対し「ユーズド」という認識のもと「年式が古い」「故障しやすい」「傷だらけ」などのネガティブなイメージの商品であった。従来、ブラックボックスになっていた前の所有者の使用状況が明らかになることによる安心感やメンテナンス状況を知ることによる信頼感は、複雑な流通網が介在する中古車では考えられない程のメリットとなると考えている。

いま、なぜ個人売買なのか?

流通の仕組みが変革し、販売チャネルが多様化している現在、消費者はディスカウントストアやメーカーのアウトレット店を利用する傾向が強まってきた。特に高額である高級ブランド品はその傾向が強くなりつつある。

高級ブランドのひとつである輸入車の人気はこの不況にもかかわらず、年々増加の一途をたどっている。さらに、物の価値を冷静に見ることのできる消費者が増加しているため、中古車への抵抗感も以前から比較すると薄れてきていると思われる。従来の業者に頼らず自分で探す考えの人が増えているためだ。さらに、個人間の取引であれば消費税が省略できるのも大きな要素であろう。

事業計画

@事 名:「e−kuruma.com」

A代理店数:全国に約200店(目標)

B年間売上:約20億円(車両台数1000台)

C年間利益:約1億円(手数料は売上の5%)

事業内容は、インターネット上にホームページを設け、一般消費者から売却希望の中古車を登録してもらい一定期間内のオークションで最高価格を提示した人が落札したあと、V社が提携する代理店(ガソリンスタンドや自動車部品店等)を利用して車の受け渡しを行うもの。買い手は代金支払い前に試乗もできるしキャンセルも可能だ。売買が成立したら売り手と買い手の双方から取引金額の5%を受け取りV社と代理店で折半する。

契約代理店プログラム

このビジネスモデルの重要な要素に「契約代理店プログラム」がある。ガソリンスタンド・レンタカー会社・カー用品販売会社等が代理店として契約し、潜在顧客の開拓や車両確認、試乗、名義変更等をサポートするもの。契約金は5年契約で100万円、オープニングツール代50万円を支払い事業スタート。売買が成立すると、代理店へは落札価格の5%が手数料収入として入金される。

「e−kuruma.com」の10大特長

1. 車を手放す人に対し、下取り・買い取りに続く第3の方法を提供する。
2. 新たな流通マーケットを構成することにより、ダイレクトな高値を実現する。
3. 車を買う人にとって、割安なシステムを提供する。
4. インターネットの即時性・同報性・双方向性を生かした画期的なシステムの構築により、新流通システムを開拓する。
5. 個人間売買のデメリットであった代金回収については、V社の振込み専用口座を利用することにより解消する。
6. 面倒な名義変更も代行することにより、売り手と買い手の不安を払拭する。
7. 試乗をしてからのキャンセルは自由。登録内容に不備があれば、独自の減額システムにより値引きされ、粗悪な車はマーケットから排除する。
8. 関係産業全体にダイレクトな収益メカニズムとビジネスチャンスを提供する。
9. 車という物を流通させると同時に、サービスのバックボーンを提供し、ユーザーの選択肢を拡大する。

このマーケットで得たV社の収益の一部をメンバーの名義で交通遺児基金などのチャリティーに参画。社会貢献事業として位置付ける。

企業プロフィール

会社名:株式会社 ヴァーテックスビジョン、所在地:東京都渋谷区恵比寿、代表取締役:山内章裕、設立:1999年6月、資本金:4000万円、事業内容:@インターネットを利用した情報の仲介事業、A自動車の販売及び売買の仲介、B不動産の販売及び売買の仲介、C広告代理店業務、等。

URL:http://www.e-kuruma.com/

代理店募集が成功のカギ!

このシステムは契約代理店の協力無くしては成り立たない。売り手と買い手が接触する唯一の場である代理店は、取引相手の顔が見えないというネットオークションの不安を取り除きネット取引の信用を維持する重要な要素だからだ。

代理店にとってこの事業が重要な収入源になりえるかが事業成功の分かれ目となるであろう。